今後深刻化する人手不足倒産について

 

人手不足倒産とは、文字通り人手が足りなくて利益を上げられず倒産する事です。

なぜこの様な事が起きるのか見ていきましょう。

 

 

今後深刻化する人手不足倒産について(2018年過去最多)

ここにクローズアップしていきます。

 

超高齢化により労働力が減っている

生産年齢人口の減少についてですが、2015年の就業者は6376万人に対し、2020年の就業者の現状見通しが6046万人、2030年の就業者の現状見通しが5561人となります(総務省『労働力調査』JIL『平成27年労働力需給の推計』より)。

 

65歳以上の人口の推移は2015年は3386万人(日本の総人口は1億2709万人)で高齢化比率は26.6%です。

2030年になると65歳以上の人口の推移は3715万人に増加し(日本の総人口は1億1912万人へ減少)、高齢化比率は 31.1%となります。

3人に1人が高齢者という超高齢化社会(2007年に既に)です。

75歳以上の人口の推移は、2015年は1632万人に対し2030年には2278万人に達する見通しで39.6%増という急激な増加になります(総務省『国勢調査』『人口推移』、国立社会保障・人口問題研究所『日本の将来推計人口』より)。

 

若い人が減って年配の方が増えてくって事ですね。

その事が現在の日本社会にどの様な影響を与えているか、下記に倒産数について記載しました。

 

人手不足に関連した倒産

人手不足に関連した2018年の日本の倒産は、400件で前年311件と比べ28.6%増となっている(2019年4月公開、東京商工リサーチより)。

 

倒産関連400件の内訳は、

『後継者難』が269件(前年比7.6%増、前年250件)、

『求人難』が76件(前年比162.0%増、前年29件)、

『人件費高騰』が30件(前年比114.2%増、前年14件)、

『従業員退職』が25件(前年比38.8%増、前年18件)となります。

 

求人難』前年の2.6倍で特に増えているのがわかります。

超高齢化に伴い、『求人難』により人手不足倒産するといった問題が発生しています。

ちなみに業種で見ると特に『福祉の介護分野』、『運送業』、『建設業』が多く、3分野で全体の76%になります。

3K(『きつい』『汚い』『危険』)がイメージできる分野ですね。

福祉の介護の求人を見てみると3Kなのに他の職と同等かそれ以下の賃金での募集がほとんどです。

見合わない対価や根本的に低賃金な事もここまで大きくなった背景にあると思います。

 

少し話が戻ります。

『求人難』で人が入ってこなくて(人出不足で)倒産という事でしたが、求人する理由は人が辞めて補充したいのでという事もあるはずです。

少し離職について記載していきます。

 

日本の離職が高い

日本の過去10年間の平均離職率は15%です。

新卒の平成25年の三年以内の離職率は、大卒の離職率31.9 %、短大卒が41.7%、高卒が40.9%です(どちらも厚生省調べより)。

新卒の離職率は30年前からほぼ変わっていません。

 

離職により、せっかく育てた人材が減る(教育費用の損失)、求人を出し採用に至るまでの費用の増大、人材確保ができなくての人出不足による損失(仕事を効率良くできない)、などが問題です。

 

離職の理由は

離職の理由は人それぞれあると思いますが主なものを挙げました。

 

①会社のやり方、上司のやり方についていけない

 

②人間関係など職場の環境が合わない、相談できる上司がいない

上司に相談して改善できれば良いですが。。

 

⓷自分にとって会社で働く価値が見出せない

3K環境が当てはまる例だと思います。

先の事を考えて働き続ける事のできない会社では働きたくないですよね

(達成目標やノルマが高い、労働時間が長い、ストレスの大きい仕事、雰囲気が悪いなど)。

 

⓸賃金が安い

働いている事に対しての対価が低いのも日本社会の悪い点だと思います。

 

複数該当しそうな会社は要注意ですね。

当たり前ですが、中途の即戦力が入ってきてもすぐに辞めるサイクルのある会社は要要注意です。

 

最後に

現在、今までの経営の常識と意識の改革が会社を存続させる為に必要になっていると思います。

今まで通りではいかないのです。

今後と現在では時代の変化についていけない会社は倒産します。

 

どうしたら良いか考えてみました。

①賃金を上げる

②社員にとって将来性のある会社作り

⓷コミュニケーションにより、信頼できる人間関係を築ける環境作り

⓸若い人のアイデアも取り入れられる環境

などではないかと思います。

その他、様々あると思いますが離職させない環境作りが多い会社が結果生き残ると思います。

 

ブラック企業の一部は、人が減っても仕事量を減らさないで残っている人が補うスタイル(残業などで)もあると思います。

それにより人が減って人出不足により倒産する負のスパイラルが発生していると思います。

企業が適切な対策を行えば防げる事あるはずです。

逆に企業や国の対策が追いつかなければ今後も人出不足倒産が増加の道を歩む事が予想できます。

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